父『こういう見出し止めて欲しいよね』
私『何が?』
父『この稲本の記事。「稲本!得点に絡めず!」』
私『あぁ・・・そういうことか。そうだよね。稲本って点取るのが本職じゃないのにね。』
父『稲本は得点感覚はまぁ高い方だと思うけど、一番に求められてるのは得点じゃなくて相手の攻撃の芽を摘むことだよね。それなのに何?この見出し。』
言われてみれば確かに。海外に行く人のほとんどってFWや攻撃的なポジションの人が多かったせいか、いつも点を取ることを求められてるよね。FWじゃないポジションの選手でも。ヒデや中村、松井のように攻撃的な選手なら良いかもしれないけど、中田浩二や稲本のようなボランチにまで毎試合のごとく一番に点を求めるのには疑問だ。(全ての情報誌ではない。)
中田浩二や稲本なんかは得点感覚もあるボランチだが、優先的な仕事はやはり相手の攻撃を未然に防ぎ、前に繋ぐことだろ。それを考えるといつもいつも「無得点です」だとかそういったことをワーワー騒ぐのはおかしいだろ。
全てが全てではないけどね。たまに稲本の守備シーンを主に集めて、彼の役割なんかを評価しているのも見たけどね。中田浩二は・・・あんまり見てない(--;)
高原や柳沢なんかは試合にすら出ていない。仮に出たとしても、目立った活躍ができなければ地元新聞から袋叩きになる。これは何も日本人選手に限られたことではない。バルセロナのスパースターであるロナウジーニョでさえ要求された仕事ができなければ「荷物をまとめたほうが良い」というような見出しを付けられるのである。
今は以前に比べて、日本のサッカーというものが進歩してきている時代。でも、それでもまだ世界には届いていないと思う。ここから先、より進歩するためにはまず観る側の進歩が絶対だと思う。
もっと厳しくなって良いと思う。
単純に良いものは良い、ダメなものはダメ。これはとても大事。評価されるからこそ選手は発奮する。
ただし、それはサッカーを観る目があればの話。
各選手のその試合に求められている仕事は何なのかを観る側が判断し、それに対してしっかりとした評価が下せる。
これは重要だ。
ちなみにこれは審判も同様である。怪しいシーンはビデオでも使って徹底的に分析するべきだよ。ジャッジを撤回させるではなく、審判技術のレベルアップのため。
しかし、いくら国内外、W杯で日本人が活躍しても、「稲本!点に絡めず」みたいな見出しが出ているようだと、まだ日本は“観るサッカー”という点においてサッカー後進国のような気がしてならない。
サッカー専門情報誌やスポーツ新聞だけがサッカーを観ているようではまだまだ甘いような気がした。